バンクシーのステンシル
Banksy

【バンクシーのモナリザ】ルーブル美術館とパレドトーキョーのバンクシーの作品とは【Banksy Paris番外編】

バンクシーがパリへ降りたったのは、2018年が初めてではなかったのをご存知ですか?

■バンクシーは15年前の2004年、フランスのルーブル美術館で自作のモナリザを展示して立ち去るというパフォーマンスを成功させています。

■バンクシーはその2年前、2002年にはコンセプトストアーをオープンさせたフランスのストリートアーティスト、アンドレとともにパレドトーキョーに降臨。

■ブックショップ入り口の柱に残されたステンシルの一つは、現在でも無料で見ることが出来ますよ。

本記事ではバンクシーがパリで残した作品について、知られざる4つのエピソードを紹介しますね。

バンクシーとは【Who is Banksy?】

graffiti artist banksy by exit through the gift shop
出典:Exit Through the Gift Shop

バンクシーは、1990年代後半以降ストリートアートシーンの最重要人物となったブリストル出身正体不明のアーティストで、映画監督としても活躍。

ブラックユーモアと大胆な風刺を特徴とする彼の作品は、社会に蔓延する過剰なシステムやエスタブリッシュメントを批判。

全ての作品が、適切なタイミングで適切な場所に作成され、ここパリではバンクシーの作品を見ることがアートファンだけでなくツーリストや子供たち、行政や街を巻き込んだ社会現象になっています。

バンクシーの壁画やステンシル、ドキュメンタリーなどさまざまな作品を通して伝わってくるのは、世の中に問いを投げかける反システムと平和への詩的なメッセージ。

バンクシーの作品が初めて発見された彼の出身地ブリストルでは当初、グラフィティアーティストとして活躍。

banksy's early artwork 1990's
バンクシーの初期作品

2005年、バンクシーはイスラエルとパレスチナを隔てる分離壁に絵を描き平和を呼びかけます。(ぜひ動画をご覧ください。)


それから10年後の2015年、彼のインスピレーションの秘密を培うあらゆる社会悪のメタファーを具現化した、憂鬱でおぞましげな期間限定の遊園《Dismaland》(ディズマランド)をオープンしました。

Banksy 2015 – Dismaland
Banksy 2015 – Dismaland

2018年にはバンクシーの知名度に大きく貢献することになるサザビーズでの「赤い風船と少女」のシュレッダー事件をおこします。

そして2019年、バンクシーはヴェネツィア・ビエンナーレでスタンド型式のインスタレーション”ヴェネツィア・イン・オイル”を観光客のいる広場に展示して、少しずつ都市を破壊する過剰な観光産業を非難しました。

>> こちらの記事もどうぞ

【バンクシーのモナリザ】 ルーブル美術館【パリのバンクシー番外編】①2004年

バンクシーのモナリザ(2004年ルーブル美術館)
Banksy Mona Lisa Smile 2004 Louvre Museum

それは2004年10月の出来事。バンクシーは一般チケットを購入してルーブル美術館に侵入し、モナリザの顔にスマイリーを描いた自作の絵画を設置。

誰にも知られる事なくその場を立ち去るというパフォーマンスを成功させます。

バンクシーとモナリザ(2004年ルーブル美術館)
Banksy Mona Lisa Smile 2004 Louvre Museum

僕が幼いころ姉さんが僕の絵をごっそり捨ててしまったので、どこにやったのかと尋ねたら肩をすくめて言った。
「ルーブルに展示されるはずもない代物だし」。

ルーブルでのインスタレーション, パリ, 2004年

レオナルドダヴィンチの「モナリザ」は、これまでに描かれた最も有名な肖像画の1つ。芸術にあまり興味がない人でも知っていますよね。

誰もが知っている『モナリザの微笑み』だからこそ、バンクシーは自分の書いたモナリザも、パリのルーブル美術館ふさわしいと思ったのでしょうか。

バンクシーの著書《Wall and Piece》(2005)によると、バンクシーのモナリザは取り外されるまでしばらくそこに掛けられていたようです。

スマイリーの顔をした自作の「名画」に、バンクシーは《 モナリザスマイル 》と名付けました。

レオナルド・ダビンチ《モナリザの微笑》ルーブル美術館パリ
レオナルド・ダビンチ《モナリザの微笑》ルーブル美術館パリ

その後、彼は自然史博物館や大英博物館などの博物館に面白がって潜入し、たびたび美術界を煙に巻いています。

2005年には、ロンドンとニューヨークの4つの美術館でバンクシーの作品が発見されました。

バンクシーにとってこの歴史的な出来事は、偽物のひげと強力な接着剤を巧みに使ったことに比べれば、ようやくアートの世界に認められたことにはあまり意味がないといいます。

これらのアプローチは、ステンシルに転向する前にバンクシーが熱心に実践していたグラフィティを象徴しています。事前の許可なく、外観、車両、公道、またはストリートファニチャーに、刻印、サインや絵を描くという行為は法律で罰せられます。

バンクシーは博物館での数々のいたずらについて、アーティストとしてではなく、「質の高い破壊者」として認められることが課題だったと説明しています。

アーティストが自分のアイデンティティを隠すために用いた戦略は、ストリートアートの違法性ゆえでした。バンクシーの偽ひげ以外にも、多くのアーティストが偽名を使い、最も “破壊的 “なアーティストは、インターネットやソーシャルネットワーク上でも慎重にふるまいます。

バンクシーのモナリザ(2004年ルーブル美術館)
Banksy Mona Lisa Smile 2004 Louvre Museum

2006年、バンクシーがルーブル美術館に仕掛けた《 モナリザスマイル 》は、サザビーズのオークションでイギリスのコレクターに57,600ポンド(約780万円)で落札されました。バンクシーはこの時、オークションで当時の自己最高額を記録しました。

banksy mona lisa smile musée du louvre
出典:ルーブル美術館公式ホームページよりバンクシ=のモナリザ

ルーヴル美術館

アドレス : Rue de Rivoli, 75001 Paris
メトロ⑨①⑦⑭: Palais-Royal / Musée du Louvre,Pyramides
開館時間 : 9 am – 6 pm 月、木、土、日) 9 am – 9H45 pm(水、金)
閉館日 : 火曜日, 12月24日、31日(要確認)
Web : www.louvre.fr

【This is not a photo opportunity】シャイヨ宮からエッフェル塔をのぞむ【パリのバンクシー番外編②】2004年

banksy in paris eiffel tower from palais de chaillot "This is not a photo opportunity".
Banksy “This is not a photo opportunity” Paris Tour Eiffel, from Palais de Chaillot
出典:全てBanksy著「Wall and Piece」

バンクシーは見晴らしの良さそうな観光地等に同様のステンシル「This is not a photo opportunity」を残しています。

バンクシーがパリのシャイヨ宮にも残したこの作品の画像は、バンクシーの作品集「Wall and Peace」にも掲載されていますが、同じステンシルがもう一つシャイヨ宮の別の場所にもあったようです。

banksy in paris eiffel tower from palais de chaillot

【Cut out and collect】 パリの街中 【パリのバンクシー番外編③】2003年

Banksy Paris 2003
Banksy Paris 2003
Cut out and collect

この「はさみと切り取り線」もバンクシーが2000年代初頭から中期にかけて、ロンドンやパレスチナ等で好んで頻繁に描いていたモチーフですね。

バンクシーはこのステンシルを2003年にパリの街かどに描きました。

Heavy Weaponry】 パレドトーキョーの柱に描かれた像 【パリのバンクシー番外編④2002年

Banksy 2002 - Heavy Weaponry Palas de Tokyo, Paris
Banksy 2002 – Heavy Weaponry Palas de Tokyo, Paris (2020年撮影)

パリのアート施設パレドトーキョーに残されたバンクシーのステンシル「Heavy Weaponry」は、2002年にアンドレがコンセプトストアー 「BlackBlock」(ブックショップ)をオープンした際に描かれました。

【Heavy Weaponry】パレ・ド・トーキョーX アンドレ 【BlackBlock】2002年

Banksy 2002 - Heavy Weaponry Palas de Tokyo, Paris
Banksy 2002 – Heavy Weaponry Palas de Tokyo, Paris (2020年撮影)

それは、2004年バンクシーがルーブル美術館にモナリザのパロディーを展示して世間を騒がせるより前の出来事でした。

Banksy 2002 - Heavy Weaponry Palas de Tokyo, Paris
Banksy 2002 – Heavy Weaponry Palas de Tokyo, Paris (2020年撮影)
banksy.co.uk - Heavy Weaponry
出典: banksy.co.uk – Heavy Weaponry

パレドトーキョーの柱に描かれたバンクシーのステンシルのそばには、誰かが(わざと)つづりを間違えて「This is not a Bansky」と落書きしています。

【Mr. A】Mr. アンドレとは

Exit Through the Gift Shop,Mr. André   image
出典:Exit Through the Gift Shop,Mr. André image

BlackBlock」をオープンさせたアンドレ・サレヴァは、Mr. アンドレまたはMr. Aとして知られるフランスのグラフィティ・アーティスト。

彼はスウェーデンでポルトガル人の両親の元に生まれ、幼少の頃からパリに住んでいます。

アンドレは、「BlackBlock」 以外にもシックなクラブやホテルのプロデュースを手掛け、バンクシーが監督したドキュメンタリー映画《 Exit Through the Gift Shop 》に出演しています。

このドキュメンタリー映画(英語)はYou Tubeで全編を見れますよ。

>> 日本語字幕版はこちらからどうぞ。


パレドトーキョーのバンクシーの場所はどこ?【BlackBlock】

Banksy 2002 -  Heavy Weaponry  Palas de Tokyo, Paris
Banksy 2002 – Heavy Weaponry Palas de Tokyo, Paris (2019年8月)

このステンシルは、今でもパレドトーキョー内の柱に残っているので、興味がある方は見に行かれてはいかがでしょうか。

ブックショップの出入口にあるので、開館時間内(12am – 12pm)ならいつでも無料で見れますよ。

Banksy 2002 - Heavy Weaponry Palas de Tokyo, Paris
Banksy 2002 – Heavy Weaponry Palas de Tokyo, Paris (2019年8月)

BlackBlock : Palais de Tokyo

アドレス : 13 Avenue du Président Wilson, 75116 Paris
メトロ⑨ : Iéna / Alma Marceau
開館時間 : 12am – 12pm (要確認)
閉館日 : 火曜日, 12月24日、31日(要確認)
Web : https://www.palaisdetokyo.com

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最後に

10年以上のブランクがあったバンクシーのパリ再来は、フランス政府の移民政策に対する真の告発として注目を浴びました。

以前のパリは、バンクシーにとってイスラエルほど興味深い場所ではありませんでした。しかし今日、パリの移民危機に対する議論には、根拠と文脈があります。

Magda Danysz (ストリートアート専門家/ギャラリーオーナー )

2018年にパリの各地で見つかったバンクシーのステンシルは、まるで宝探しでもするかのようにストリートアートファンたちからインスタグラム上で次々とシェアされて、ネットを賑わせました。

最近は特にヨーロッパ、英国でアクティブに活動しているバンクシー。次はいったいどこへ現れて、どんな作品を見せてくれるのか楽しみですね。

» バンクシー本人による作品集”Wall and Piece”【日本語版】 はこちらです。

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gypsycats

Paris Diary written by gypsycats from Paris France フランスとパリとアートを愛しています。アートやファッション、小旅行など様々なことを綴ります。

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