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バンクシーが新作で黒人差別に抗議する#Black Lives Matterを支持【燃える星条旗】

米国の黒人男性ジョージ・フロイドの死(5月25日)から1週間以上が経過した6月6日土曜日、バンクシーがInstagramへ作品を公開して抗議行動「Black Lives Matter」への支持を表明しました。

バンクシーが新作で黒人差別に抗議する#Black Lives Matterを支持【燃える星条旗】

バンクシーが「黒人男性の死」への悲しみや憤りを表現したと見られる作品をInstagramに投稿。

▲出典: banksy.co.uk

バンクシーは投稿した画像の最後に自身の声明文を掲載しています。

» バンクシー監督ドキュメンタリー作品”イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ(日本語字幕版)”はこちらです。

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「有色人種」の人々は「白人のシステム」に邪魔されている by バンクシー

▲出典:Banksy, Instagram

最初は黙ってこの問題について黒人たちの話を聞くべきだと思っていたんだ。

でも、なぜ私はそんなことをするのか?
これは彼らの問題じゃない。私の問題だ。

「有色人種」の人々はシステムに邪魔されている。「白人のシステム」にね。まるで、壊れた配水管が下の階に住む人のアパートを水浸しにするように、欠陥のあるシステムが彼らの生活を悲惨なものにしている。
でもそれを直すのは彼らの仕事ではない。
誰も彼らをアパートの上の階に入れてくれはしないんだよ。

これは白人の問題なんだ。もし白人が直さなければ、誰かが2階へ来てドアを蹴り破らなければならない。

Banksy, Instagram

確かにバンクシーは最初、米国での事件が暴動に発展しても沈黙を貫いていました。

しかし作品には、「燃える米国旗と黒い顔をした人物の遺影」が描かれており、「black people」(黒人)という言葉を使って語り出したバンクシーの声明文は、途中から「people of colour」となり「有色人種」への差別を指摘

また、バンクシーは去年6月に、イギリスの黒人ラッパー「Stormzy」のためにユニオンジャックの防刃ベストを制作。期間限定のポップアップ「グロスドメスティックプロダクト」でベストを展示しました。

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世界各地で警察の暴力に反対するデモの波が拡大

故人をしのぶキャンドルから燃え移った炎が暴動で燃える都市を想起。

ジョージ・フロイド氏は5月25日にミネアポリスで白人警官に膝を首に押し付けられて死亡しました。彼の死をきっかけに、世界中で抗議の声が上がり、デモを行う国や都市が日に日に増えています。

ブリストル、ベルリン、オークランド、リオ

5月末から6月初頭にかけて、デモの波がアメリカの主要都市だけでなく、イタリア、イギリス、ドイツ、カナダ、ニュージーランド、アイルランド、フランスにも拡大。

ブラジルのリオデジャネイロ州政府のグアナバラ宮殿の外では、5月31日、デモ隊がスローガンを使って貧民街での警察の取締りの状況を糾弾。

政府の閣僚たちは大規模な集会を避けるよう人々に促していますが、週末には英国全土で反人種差別の抗議行動が計画されました。

推定4,000人がバンクシーの故郷ブリストルでのデモに参加すると予想され、日曜日にはブリストルのキャッスルパークまで市内を行進

バンクシーの故郷ブリストルでは日曜日、17世紀イギリスの奴隷商人「エドワード・コルストン」の銅像を抗議者たちが打ち倒しました。

パリ

▲2020年6月2日パリ(筆者撮影)

6月2日のパリでは、2016年に警察の介入で死亡した24歳のフランス国籍の黒人男性「アダマ・トラオレ」さんの事件に対する「正義」(Justice)を求めるデモ隊が、裁判所前の環状道路を封鎖。

▲2020年6月2日パリ(筆者撮影)

パリで約2万人が参加したといわれるこのデモは、アダマ・トラオレとジョージ・フロイドに対する「正義」(Justice)を要求。

» スティーブ・ラザリデス出演ドキュメンタリー映画【Banksy And The Rise Of Outlaw Art】(2020年)はこちらです。

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最後に

バンクシーの正体は長い間不明とされてきましたが、21世紀における最も多作なアーティストの一人として、ポップで万人受けするモチーフと政治性を帯びた作風に注目が集まっています。

現在、バンクシーのInstagramのプロフィール写真は、警察の不当な暴力により非業の死を遂げた黒人男性「ジョージ・フロイド」氏を追悼するかのように黒一色で塗られています。

バンクシーは、今までにも移民や難民、マイノリティーといった社会的弱者をテーマにした作品を数多く発表してきました。

今回の作品では「ジョージ・フロイドの死」を暗喩して、人種差別を「白人の問題」であり、白人であるバンクシーにとって「自分の問題である」と訴えています。

また、オークションで自身が過去に描いた「猿の英議会」が13億円で落札された際にも同様に、Instagramで真っ黒い画面にロバート・ヒューズ(美術評論家)のテキストを投稿しており、今回の意思表明にもバンクシー従来の表現方法がとられていると言えます。

» バンクシー本人による作品集”Wall and Piece”【日本語版】 はこちらです。

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gypsycats

Paris Diary written by gypsycats from Paris France フランスとパリとアートを愛しています。アートやファッション、小旅行など様々なことを綴ります。

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