■イギリスの覆面芸術家バンクシーが「ネズミの絵」でおおわれたバスルームの写真を、自身のInstagramアカウントに投稿。
今回バンクシーがキャンバスに選んだのは、ストリートの壁ではなく「自宅のバスルーム」でした。
■バンクシーは新型コロナのロックダウン中に自宅で仕事をすると「妻が嫌がる」とコメント。
コロナの影響でイギリス在住のバンクシーも自宅で奥さんとロックダウンしているのでしょうか。
Contents
バンクシーが自宅のトイレに描いたネズミとは【奥さんが嫌う】
バンクシーがネズミの絵を自宅トイレで公開
描かれているのは、バンクシーの家のトイレで所せましと戯れるネズミたちの姿。
さすがのバンクシーも、今回ばかりは早朝のストリートで仕事をするわけにいかず……
My wife hates it when I work from home.
家で仕事をすると僕の奥さんが嫌がってね。
Banksy, instagram
この言葉から、画像の場所が自宅であることが想像できます。
新型コロナの流行で、いつもはアウトローなバンクシーも家で仕事をしながら奥さんと過ごしているのでしょうか。
» バンクシー監督ドキュメンタリー”イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ(日本語字幕版)”はこちらです。
バンクシーがトイレに描いたネズミ【作品詳細】
北斎漫画さながらの躍動感
覆面アーティストのバンクシーが、生活感あふれるキャプションとともに投稿した画像は全部で5枚。




5枚の写真の中には歯磨き粉を噴出させたり、バスルームの照明にぶら下がったり、鏡を片側に倒したりと、様々な行動をとるネズミたちの姿が描かれています。
あるネズミは、転がり落ちて床を横切るトイレットペーパーの上を走っています。便器には薄茶色の液体が付着した様子まで見事に再現。
さらによく観察すると、片隅には丁寧にネズミの巣まであるようです。中から覗いているのはネズミの仲間でしょうか?

描かれたネズミたちはそれぞれが躍動感にあふれ、洗面台の鏡には赤い口紅でロックタウンの日数を集計するネズミの姿が映っています。

その鏡はネズミたちの仕業で傾いている。

上の方には「除菌ジェル」のようなものに手をかけるネズミもいます。
仲間を消毒しようとしているのでしょうか。


擬人化されたネズミたちの姿は北斎漫画さながらですね。

それではもう一度、全体像を見てみましょう。

全部で合計9匹のネズミが描かれています。なんだかにぎやかで癒されませんか。
ロックダウン中、狭いアパートで暮らすネズミの大家族といったところでしょうか。
散乱するトイレットペーパーは、「買い占めなんてしなくても、トイレットペーパーはいくらでもあるよ」と言いたいのかもしれません。
バンクシーは結婚してるの?【奥さんは誰?】
今回の投稿で、バンクシーが結婚していることがわかりました。
マグカップには歯ブラシが二本入っており、奥さんと二人暮らしなのでしょうか。
イギリスのメディアによると、バンクシーの奥さんは労働党のロビー活動家「Joy Millward」(ジョイ・ミルワード)さんであると言われていますが真相は謎です。
「The Mail on Sunday」が、「バンクシーは2006年の一月にラスベガスで、当時31歳のジョイ・ミルワードさんと結婚した」と報じています。
記事によると、バンクシーがジョイ・ミルワードさんと出会ったのは2003年のロンドンで、ミルワードさんが労働党オースティンミッチェル議員のリサーチャーとして働き始める前のことでした。
彼女は現在も、2005年に立ち上げた慈善団体を支援する議会ロビー「Principle Affaires Limited」のキャンペーン・ディレクターに名をつらねています。
これ以上書くとワイドショーのようになってしまうので、バンクシーの奥さんの話題はこれくらいにしますね。
そしてもうひとつ、余談になりますが数年前に「バンクシーの娘」を自称する女の子が本を出版しました。
この本が書かれたのはバンクシーが今ほど有名ではなかった2015年で、バンクシーがイスラエルでホテルをプロデュースしたり、オークションで作品をシュレッダーにかけたりするより以前のことです。
少女が主張する「自分の父親はバンクシーではないか」という憶測から、少女がバンクシーに向けて書いた手紙形式の本になっています。
憶測とはいっても全くありえない話でもなく、つたない英語でシンプルに綴られたこの本の評判はけっして悪くありません。
最後に
バンクシーは「社会的な主張」をする手段としてネズミを用いており、ブリストルの通りの至るところに動物をステンシルすることで、世の中に出てきました。
そんなバンクシーは、ロンドン市内に大きなアトリエを構えていることが知られており、もしかしたら写真の場所はバンクシーのアトリエのトイレかもしれません。(バンクシーの真相は、謎につつまれていて本当のことは何も分かりません。)
新型コロナの影響でロックダウン中のバンクシーが家のトイレにネズミを描いたことで、ベールに包まれたバンクシーのプライベートがほんの少し明かされたような気持になったのは私だけでしょうか。
バンクシーも私たちと同じ、外出を制限された一人の市民なのでしょう。
いずれにしてもこの作品から、バンクシーが新型コロナウイルスを強く意識していることが伝わってきますね。
» バンクシーによるバンクシーの写真集【Wall and Piece】(日本語版) はこちらです。
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