The world of banksy
Banksy

【The World of Banksy】パリのバンクシー展はフェイクなのか【Paris】

バンクシーをテーマにした展覧会が世界各地で行われています。

パリで2019年6月に始まったバンクシーの回顧展も例外ではなく、バンクシー本人の同意なしに開催されて、2020年12月末まで会期が延長されました。

バンクシーは無許可で行われる展覧会からいかなる利益も得ておらず、それらをやめさせることもできません。

本記事では、2019年6月からパリで開催されているバンクシーの展覧会「The World of Banksy」について検証します。

 パリのバンクシー展はフェイクなのか【The World of Banksy

the world of banksy paris exposition

バンクシーは今まで、その匿名性や奇想天外なエピソードでアートマーケットを挑発し、その限界を指摘し、既成概念を破壊し、時にはルールを再構築し、ストリートアートの基盤について再考しながら、著作権における芸術の曖昧さを浮き彫りにしてきました。

バンクシーの作品は常に傷つけられ、盗まれ、ブラックマーケットやオークション等では法外な値段で取引されます。

バンクシーの作品の多くは売却されて、すでに彼のものではありません。

今回は、パリのバンクシー展「The World of Banksy」で展示されているバンクシーの作品は本物なのか” について検証していきたいと思います。

» バンクシー本人による作品集”Wall and Piece”【日本語版】 はこちらです。

パリのバンクシー展とは【The World Of Banksy】

2019年の6月に、パリの古い地下駐車場をリノベーションしてできた展示スペース、エスパス・ラファイエット・ドゥルー「Espace Lafayette Drouot」が開催するバンクシーの展覧会「The World Of Banksy」は、2020年の12月まで会期を延長しました。

3フロア、1200 m2のスペースを占める「The World Of Banksy」は、プライベートコレクションから少なくとも50点以上の作品を展示し、壁にはバンクシーの最も有名なステンシル42作品をフィーチャーしています。

パリのバンクシー展の作品所有者は誰? 【The World of Banksy】

会場の所有者であり、イベント主催者のHazis Vardar氏は、笑顔で答えます…。

作品を提供している個人コレクターというのは誰ですか?

わかりません。
ヨーロッパ中にコレクションを巡回させている人たちから直接連絡がきました。

Hazis Vardar

彼らは投機家でしょうか?
また、どのようにして作品が本物であることを保証するのでしょう?

それはラコステを購入するようなもので、私たちが持っているのはだいたいブランドのオリジナルではなくコピー商品です。

バンクシーの最も有名なステンシルの1つ「赤い風船と少女」もありますが、署名もエディション番号もありません。

バンクシーについてとにかく真実はありません。
彼はキリストのような存在です。
私たちは、「キリストが水の上を歩いた」のが本当かどうか気にしていません。
重要なのは、ストーリーが伝えるメッセージの力です。

Hazis Vardar

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パリのバンクシー展の主催者は誰?【Hazis Vardar】

一部のピュリストとっては驚くほど短絡的なアイディアです。

しかし、アジ・バルダール(Hazis Vardar)のことをほとんど知らない人にとっても、さほど驚きはないでしょう。

兄弟2人でかつての伝説のクラブを劇場に改装した「ル・パラス」をはじめ、いくつかの劇場のオーナーを務めています。

このベルギー人兄弟は、ポピュラーなアプローチでパリのオファーを爆発させました。

演劇やメディアの世界では賛否両論があるものの、「The World of Banksy」は観客を見つけたようです。

ストリートアートに演劇の方程式を用いたアジ・バルダールは、特にバンクシーの人格が彼を喜ばせると言います。

両者とも、躊躇なく「芸術と消費社会」をミックスしている点が似ているのかもしれません。

【バンクシー展の様子】バンクシーの作品の中にいるという野望

banksy exposition paris 「the world of banksy」
出典:http://alexandraoury.com/

The World of Banksy」は、ストリートでしか伝えることができないバンクシーの作品メッセージをよりよく伝えるための「没入型の展覧会」です。
ストリートアートの反抗的で革命的な精神を守りたかったのです。
どこを見ても、何を聴いても、どこで振り向いても、あなたは作品の前ではなくバンクシーの中にいます。

Hazis Vardar

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フェイク

出典:Exposition “The World of Banksy”. (© Lise Lanot/Cheese)

「The World of Banksy」は、展覧会というよりはむしろ、没入型の体験であり、訪問者はグラフィティの世界に物理的に入り込むことができます。

レベル1では、バンクシーの主要な作品を見ることができます。

バンクシーの作品の多くは、すでに存在しない(世界中に散らばって、破壊されたり、市場に出回っていない)ため、「世界的に有名なストリート・アーティストでありながら、バンクシーが匿名である」ことを理由に、彼は展覧会で再現しようと思いつきました。

これらはバンクシーの絵画ではなく、訪問者のために提供されたバンクシーの最も有名なステンシルを模倣したコピーです。

ステンシルアートは、見かけほどほど簡単ではなく、作品のいくつかはとても粗い仕上がりになっています。

プロパガンダと皮肉あふれるステンシル

ベツレヘムの壁にロバと兵士が並んで立っていたり、バタクランの非常扉に涙を流す若い女性がたたずんでいたり。 

バンクシーによる42枚の壁画は、世界中の十数名のグラフィティアーティストによって原寸大で描かれています。

展覧会がはじまる地下スペースには、流用、プロパガンダ、皮肉など、バンクシーのスタイルをまとめた数々の美しい作品が展示されています。

照明を落とした空間演出が、場の雰囲気を醸し出します。

上階へ行くと、バンクシーがベツレヘムで成し遂げた作品を中心に、演出された空間を散策することができます。

バンクシーの有名な作品「花束を投げる暴徒」の等身大のレプリカ、または、彼が分離壁の側にオープンしたコンセプトホテル「Walled Off Hotel」の1室が再現されています。

独創的でとてもよくできていますが、すべてがフェイクなので、劇場のセットを横切るような感覚になります。

パリ、ニューヨーク、ベツレヘムのスペースを通り抜けると、バンクシーの祖国イギリスにささげられた最上階に到達します。

彼によると、この展覧会は「バンクシーが作品を描いた場所を訪問者が体感することができる」ヨーロッパで初めての挑戦だと言います。

ニューヨーク、ロンドン、パリ、そしてパレスチナ自治区からは弾圧を想起させるヘリコプターの音が聞こえてくるのです。

» バンクシー監督ドキュメンタリー作品”イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ(日本語字幕版)”はこちらです。

訪問者の心には何が残るのか

出典:Exposition “The World of Banksy”. Espace Lafayette Drouot

特に素晴らしい展示ではありませんが、コストパフォーマンスと品質のバランス(14 €) をのぞいて不愉快な点はありません。

アジス・バルダーは展覧会を通じて自らを先駆者と定義することで、今日認識されている「展覧会」という言葉と「アトラクション」という言葉の境界線について問いかけています。

「The Art of Banksy」は、バンクシーを知る入口として、または子供たちの夏休みのアクティビティーにはぴったりの展示かもしれません。

パリのバンクシー展の場所はどこ? 【The World of Banksy】

Espace Lafayette Drouot 所在地

【所在地】44 rue du Faubourg Montmartre, 75009

展覧会詳細【The World of Banksy】

Espace Lafayette Drouot【The World of Banksy】

曜日:火曜日から日曜日まで
開館時間:10h-18h
期間:2020年12月31日まで
電話: 01 82 83 28 55
web :https://www.espace-lafayette-drouot.com/project/
入場料:12-14 € (前売り券は2020年12月31日まで有効です)

※新型コロナウイルス感染症の影響により、展覧会の再開は5月11日以降に予定されています。
詳細についてはイベント運営者にお問い合わせください。

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gypsycats

Paris Diary written by gypsycats from Paris France フランスとパリとアートを愛しています。アートやファッション、小旅行など様々なことを綴ります。

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